設備と電源

キッチンカーの設備と機材の選び方

キッチンカーの設備は、営業許可の基準で決まるものと、メニューと出店先に合わせて自分で選ぶものに分かれます。

  • 営業許可の基準で決まるもの:給水、排水タンク、手洗い設備、洗浄設備(シンク)、換気の設備、必要に応じた冷蔵、冷凍設備
  • 自分で選ぶもの:加熱機器、電源、決済端末、消火器

先にメニューを決め、許可の基準でタンクとシンクを決めてから、機器、電源、決済端末の順に選びます。 電源の大きさは使う機器の消費電力で決まるので、機器より先には決められません。

キッチンカーに必要な設備の一覧

設備 何で決まるか 消費電力の例 詳しい記事
給水、排水タンク 国の参酌基準と自治体の基準。容量でつくれるメニューが変わる 営業許可の取り方、自治体別の条件比較
手洗い設備、洗浄設備(シンク) 国の基準は、再汚染を防ぐ水栓の流水式手洗い設備と、使い道に応じた洗浄設備。シンクの槽数は自治体の運用で決まる 営業許可の取り方
換気扇 国の基準で、換気できる設備が求められる 15〜17W(パナソニック FY-20T3)
冷蔵庫、冷凍庫 国の基準では「必要に応じて」。メニューで決まる 51〜169W(業務用の4機種)
加熱機器(電子レンジ、IHコンロ、コーヒーマシンなど) メニューで決まる 1台1,260〜1,450W
電源(ポータブル電源、発電機、外部電源) 機器の消費電力の合計と、出店先のルール 電源の選び方、電源容量の計算、ポータブル電源の比較
決済端末 手数料、端末代、出店先での通信と電源 公表なし(Square ターミナル) 決済端末の選び方
消火器 多くの人が集まる催しで、燃料や電気で加熱する器具を使うときは、火災予防条例で準備が求められる。出店先の要項で求められることもある

消費電力は、電源の選び方の表に載せたメーカーの公表値です。 国の基準は食品衛生法施行規則の別表第19で、自動車で調理する営業には床の排水設備、便所、更衣場所などの規定が適用されません(e-Gov法令検索)。 シンクの槽数は国の基準に数の指定がなく、たとえば福岡市は原則2槽としています(福岡市保健所)。

製作会社の価格には、シンク、タンク、換気扇、照明、コンセントが含まれていることがあります。 何が含まれるかは会社とプランで違うので、製作費の相場で確かめてください。

タンクの容量とつくれるメニュー

給水、排水タンクの容量は、つくれるメニューの幅を決めます。 国の参酌基準は、容量ごとに次の目安を示しています。

給水、廃水タンクの容量とメニューの目安(国の参酌基準)
タンク容量省令の区分実施できる営業内容の目安(国の通知)食器
約40L簡易な営業簡易な調理のみ(温める、揚げる、盛り付けるなど)、または単一品目のみ使い捨て食器
約80L比較的大量の水を要しない営業大量の水を要しない2工程程度までの簡易な調理、または複数品目使い捨て食器
約200L比較的大量の水を要する営業大量の水を要する調理、複数の工程からなる調理通常の食器

※容量は「1日の営業で供給でき、かつ廃水を保管できる水量」で、省令は「約40リットル」のように「約」を付けて書いています。

※通知は、業務計画をよく聞き取り、業務の実態に合った容量のタンクを整備させるよう自治体に求めています。容量の区分は目安で、品目や工程の数え方は自治体ごとに違います。

※施設の基準は各都道府県が条例で決めます。国の調査では、47都道府県のうち44が参酌基準と同じで、3が一部異なっていました。

出典(確認日 2026.10.13)

  1. [1] laws.e-gov.go.jp/law/323M40000100023
  2. [2] www.mhlw.go.jp/content/11130500/000582237.pdf
  3. [3] www.mhlw.go.jp/content/10906000/001666048.pdf

自治体ごとの運用の違い(品目や工程の数え方、シンクの数)は、自治体別の営業許可の条件比較にまとめています。

電源の大きさは加熱機器で決まる

冷蔵庫、照明、換気扇だけなら、6時間の営業で約0.7kWhと計算でき、ポータブル電源1台で足ります。 業務用のIHコンロ(1,400W)を営業中に使い続けると約4.9kWhになり、比べたポータブル電源のどれも1台では足りません。 計算の前提と、発電機や外部電源との使い分けは「キッチンカーの電源の選び方」に、機種ごとの比較は「キッチンカー向けポータブル電源の比較」に載せています。 自分のメニューの機器で計算するなら、電源容量の計算ツールを使います。

決済端末で確かめること

キッチンカーの決済端末は、手数料と端末代に加えて、出店先でネットにつながるか、営業中にバッテリーがもつかを確かめます。 Square、Airペイ、STORES 決済、楽天ペイの料金と仕様は「キッチンカーの決済端末の選び方」で比べています。

消火器

祭礼や花火大会のように多くの人が集まる催しでは、火気使用器具等を使う露店に消火器の準備を求める火災予防条例があり、キッチンカーも露店として扱うとしている市があります(鶴岡市消防本部)。 ここでいう「火気使用器具等」には、ガスなどの燃料を使う器具だけでなく、電気を熱源とする器具も含まれるので、IHコンロや電気フライヤーだけで調理する場合も対象になります。 東京消防庁は、催しに出る移動販売車を含む露店に、「火気使用器具等」ごとに1本以上の消火器の準備と、開設の3日前までの消防署への届出を求めています(光が丘消防署)。 発電機1台につき消火器1台を求める出店先もあります(けやき並木ストリートテラスの出店要項、東京都府中市、2021年)。 届出の期限や消火器の種類は市町村の条例で違うので、出店先を管轄する消防署に確かめます。

よくある質問

キッチンカーに必要な設備は何ですか?
営業許可の基準に合わせた給水、排水タンク、流水式の手洗い設備、洗浄設備、換気の設備と、必要に応じた冷蔵、冷凍設備が要ります。そのうえで、メニューに合わせた加熱機器、電源、決済端末をそろえ、多くの人が集まる催しで燃料や電気で加熱する器具を使うなら消火器を備えます。
設備は何から決めればいいですか?
メニューを決めてから、給水、排水タンクの容量とシンクを決めます。タンクの容量でつくれるメニューが変わり、基準は自治体ごとに違うためです。電源は、使う機器が決まってから消費電力で計算します。

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