開業の始め方と費用

キッチンカーの開業資金はいくら?車両、設備、許可の内訳

キッチンカーの開業資金は、大半が車両の費用です。 製作会社が公式に出している価格では、車両込みの新規製作が軽トラで158万〜380万円(税込、厨房設備込み)、架装済みの中古車は軽トラの掲載例で支払総額119.9万〜313.8万円(税込)でした。 ここに、営業許可の手数料(この記事で調べた自治体では1万6,000〜2万500円)、食品衛生責任者の講習代、電源と決済端末の費用が加わります。 下の計算例では、初期費用の約9割が車両でした。

金額はすべて2026年10月13日に各社や自治体の公式のページで確かめたもので、出典は表の中と記事の末尾に載せています。 車種や電源を選んで合計を出すなら「開業費用シミュレーター」を使ってください。

開業資金の内訳

開業前に払う費目と、公開されている金額の例を並べました。 車両は「車両込みか」「厨房設備込みか」で金額の意味が変わるので、含むものを列に分けています。

費目 金額の例 含むもの、税 出典
車両(新規製作、車両込み) 軽トラ 158万〜380万円 車両と厨房設備込み。税込 hit、TIPPER、フードトラックカンパニー
車両(新規製作、内装のみ) 軽バン 98万円〜、軽トラ 120万円〜、1.5t級トラック 150万円〜 車両は含まない。税込。トラックは荷台の箱(架装)が別で、軽トラは124.3万円〜 FOOD TRUCK PRO
車両(箱のみ) 軽トラ用の箱 555,000円と載せ替え3万円 車両は持ち込み。2槽シンク、照明、換気扇、コンセント。箱は税込、載せ替えは税込かの記載なし hit
車両(架装済みの中古車) 軽トラ 119.9万〜313.8万円、1.5〜2tトラック 286.2万〜446万円 支払総額。税込 中古の買い方の表
8ナンバーへの構造変更 8万円(hit)、16.5万円(TIPPER) 製作のオプション。税区分の記載なし hit、TIPPER
コールドテーブルの追加 16万円(TIPPER) 製作のオプション。税区分の記載なし TIPPER
営業許可の手数料 1万6,000〜2万500円 行政手数料で消費税はかからない 自治体別の条件比較の表
食品衛生責任者の講習 12,000円(東京都食品衛生協会) 受講料10,000円(非課税)と教材費2,000円(税込) 東京都食品衛生協会
ポータブル電源 容量1,024Whの機種で109,800〜149,600円 税込。Jackery、Anker、EcoFlowの定価、通常価格、参考価格 Jackery、Anker、EcoFlow
インバーター発電機 152,790円(ホンダ EU9i、900VA)、248,490円(EU18i、1.8kVA) メーカー希望小売価格。税込 ホンダ
決済端末 0円(Airペイのカードリーダーを無償で借りる場合)、4,980円(Square リーダー)、27,720円(STORES 決済) 税込(Squareは料金のページに税の表記がなく、製品ページに「価格はすべて税込」とある) Airペイ、Square、STORES

営業許可の手数料は自治体ごとに違います。 この記事で調べた中では、港区、横浜市、大阪市、福岡県の新規16,000円がいちばん低く、北海道の後志総合振興局の案内にある20,500円がいちばん高い額でした。 東京都の保健所に申請する場合は18,000円です(2026年4月1日からの額)。

電源と決済端末は、機種で金額が変わります。 ポータブル電源の容量、出力、価格は「ポータブル電源の比較」で、決済端末の手数料と入金の条件は「決済端末の選び方」で比べています。

この表にない費目もあります。 食材、容器、のぼりや看板、仕込み場所の費用、保険料、燃料代は、公式の価格の例を集められなかったか、選び方で幅が大きすぎるため、表に入れていません。

計算例:2つの始め方の初期費用

始め方の違う2つの例で、開業前に払う額を足し合わせました。 どちらも、東京都の保健所で許可を受け、東京都食品衛生協会の講習を受ける前提です。

例A:軽トラを車両込みで新規製作し、ポータブル電源で営業する

費目 金額 前提
車両 1,580,000円 hit 軽トラキッチンカー(「車体費込み」と記載。20L給排水タンク×3、換気扇、コンセントなどの設備込み、税込)
営業許可の手数料 18,000円 東京都の保健所
食品衛生責任者の講習 12,000円 東京都食品衛生協会
ポータブル電源 109,800円 Jackery 1000 New V3(1,024Wh、定格出力1,500W、税込)
決済端末 4,980円 Square リーダー(第2世代)。税込
合計 1,724,780円

例B:架装済みの中古の1.5〜2tトラックを買い、発電機で営業する

費目 金額 前提
車両 2,862,000円 トヨタ ダイナ 移動販売車(2013年式、2槽シンク、200L給排水、コールドテーブル、冷凍ストッカー)。カーセンサーの掲載の支払総額(税込)
営業許可の手数料 18,000円 東京都の保健所
食品衛生責任者の講習 12,000円 東京都食品衛生協会
発電機 248,490円 ホンダ EU18i(1.8kVA、税込)
決済端末 4,980円 Square リーダー(第2世代)。税込
合計 3,145,470円

車両が合計に占める割合は、例Aで91.6%、例Bで91.0%でした。 電源をポータブル電源から発電機に替えても差は13万8,690円で、車両の選び方に比べると合計への影響は小さくなります。 例Bのトヨタ ダイナは、掲載に「準中型免許が必要」とあります。

2つの例には、食材、容器、仕込み場所、保険、燃料、8ナンバーへの変更、開業後の運転資金を含めていません。 車両の価格の一覧は「製作費の相場」と「中古の買い方」にあります。

電源の費用がメニューで変わる理由

例Aのポータブル電源が足りるかは、メニューで決まります。 容量1,024Whの電源で、消費電力1.3kWの電気フライヤーを定格のまま使い続けると、単純計算で約47分(1,024Wh÷1,300W≒0.79時間)で尽きます。 実際にはフライヤーは設定温度に達すると加熱を止めますし、電源の側にも変換の損失があるので、この数字は目安にすぎません。 それでも、1kWを超える加熱機器を何時間も使うメニューでは、容量の大きな機種か、発電機か、出店先の電源が要ることがわかります。

加熱する機器の消費電力は、業務用の電子レンジが1,260W(パナソニック NE-711GV)、業務用のIHコンロが1,400W(同 KZ-CK1402)、全自動のコーヒーマシンが1,450W(デロンギ)です。 一方、業務用のコールドテーブル(冷蔵、165L)は冷却時95〜100W(ホシザキ RT-120MTCJ)で、冷やすだけなら必要な電力は1桁小さくなります。

発電機は安く大きな出力を得られますが、使えない出店先があります。 妖怪盆踊り2026の要項はガソリンの発電機を禁じ、南寝屋川公園の手作り市は発電機と電源の持ち込みを禁じていました。 使う機器と営業時間から必要な容量を出すには「電源容量の計算」を、電源の種類ごとの向き不向きは「電源の選び方」を使ってください。

開業後に毎月かかる費用

開業資金とは別に、出店するたびに出店料がかかります。 自治体や道の駅の公開例では、各務原市役所の1日191円(市の電源を使うと計512円)から、道の駅あいの土山の1日3,000円(売上が30,000円を超えたら売上の10%)まで幅があります。 出店先の探し方は「出店場所の探し方」にまとめています。

出店場所のマッチングサービスを使うなら、その料金もかかります。 モビマルは、募集の閲覧とエントリーに要るメンバーシップが月990円で、運営会社の記事ではPL保険と施設賠償保険が付くとしています。 サービスごとの料金は「マッチングサービスの比較」で比べています。 売上から出店料や原価を引いて手元に残る額は「売上と利益の目安」で計算できます。

保険料は、公式の例を確かめられませんでした。 PL保険の保険料を年1万〜2.5万円程度、8ナンバー車の自動車保険を年10万〜20万円前後とする記事はありますが、どちらも保険会社の公式の資料ではないため、見積もりを取って確かめてください。

車両の代金を分割で払う場合

製作会社のローンを使うと、支払総額は現金で買うより増えます。 フードトラックカンパニーのキッチンボックス453(軽トラ、新車ベース)の例では、現金販売価格3,254,780円に対し、120回払い(実質年率3.9%)の支払総額は3,942,120円で、差は687,340円です。

リースは、製作会社やリース会社の公式の月額を確かめられませんでした。 レンタルの料金は「車両の選び方」の表にあります。

この記事で確かめられなかった費用

次の費用は、公式の価格を見つけられなかったため、金額を書いていません。

  • 2tトラックの新規製作の価格(調べた製作会社は「要相談」としていた)
  • キッチンカーのリースの月額
  • PL保険と、8ナンバー車の自動車保険の保険料
  • のぼりの製作費(ラクスルなどの料金表は、ページの仕組み上取得できなかった)
  • 電気フライヤーの価格(マルゼン MEF-M8FT の公式資料には、消費電力1.3kWの記載はあるが、価格の記載がなかった)

次に決めること

開業資金の大半は車両なので、次は車両の用意のしかたを決めます。 車種ごとの違いは「車両の選び方」に、営業許可の条件と手順は「営業許可の取り方」にまとめています。 開業の流れ全体は「キッチンカー開業の始め方」で確かめられます。

参考資料

いずれも2026年10月13日に確認しました。

よくある質問

キッチンカーの開業資金のうち、いちばん大きい費目は何ですか?
車両です。この記事の2つの計算例では、初期費用の約9割を車両が占めました。軽トラを車両込みで新規製作する例は合計1,724,780円のうち車両が1,580,000円、中古の1.5〜2tトラックを買う例は合計3,145,470円のうち車両が2,862,000円です。
手持ちの車を使えば、開業資金はどこまで抑えられますか?
手持ちの軽トラに箱を載せる場合、製作会社hitの価格では、箱の製作が555,000円(税込)、載せ替えが3万円(税込かの記載なし)です。ここに営業許可の手数料(この記事で調べた自治体では1万6,000〜2万500円)や講習代、電源と決済端末の費用が加わります。箱のみのプランは、車両込みのプランと装備が違うので、装備をそろえて比べてください。
中古のキッチンカーなら開業資金を抑えられますか?
抑えられるとは限りません。軽トラの中古の掲載例10件のうち7件は、支払総額が車両込みの新規製作の例(158万円、税込)を上回っていました。新品のボックスや200Lの給排水タンクを積んだ車は、中古でも高くなります。

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